時代の変化と共に、お見送りのカタチも変わり続けています。
葬儀には医学的・法律的な側面だけでなく、残された方々が前を向くための大切な区切りとしての意味があります。
最近では、形式にとらわれすぎず、親しい方々だけでゆっくりと過ごす**「家族葬」や、ご負担を軽減した「一日葬」、装飾を省いたシンプルな「火葬式」**を選ばれる方も増えています。
- 看取り(みとり):近年は回復が難しい場合、病院以外の施設やご自宅で過ごす方が増えています。特にご自宅での療養を希望されるときは、安心して過ごせるように、ケースワーカーを中心に、訪問診療や訪問介護と連携して進める体制が整っています。
- 逝去(せいきょ):お亡くなりになったらかかりつけ医が死亡診断書を発行します。急に亡くなられ、死因を特定できないときは警察署で警察医により検案を行うこともあります。
- 清拭(せいしき):親しい方たちで故人を清浄綿などできれいに拭きます。着せ替えや髪やお顔を整えるため、納棺師を依頼するケースも増えています。故人の口元を水で湿らせる末期の水の儀式を執り行うこともあります。
搬送・安置
- 搬送(はんそう):病院など亡くなった場所から、葬儀社が手配した寝台車で下記のような安置場所まで故人を運びます。ご安置に問題なければ、この段階ではまだお棺には納めません。施設によっては時間帯を指定されることもあります。
- 安置(あんち):通夜や葬儀までの間、故人を適切な場所に静かに寝かせておくことです。ご遺族と葬儀社の打ち合わせで決まったお棺にお納めするタイミングでもあります。
- 自宅安置:故人を住み慣れた家へ連れ帰り、ご安置します。お部屋の場所や生活される方の状況、季節によっては難しい場合もあるため、事前の想定がしておくことが大切です。ベッドやお布団の準備が必要です。
- 式場安置室:葬儀を行うセレモニーホール内にある、専用の安置スペースです。事前相談など準備をしておらず、もう一度別な式場へ搬送したりすると、予定外の費用がかかることもございます。
- 専用安置室:自宅や式場での安置が難しい場合に利用される、ご遺体専用の保管施設です。お棺に納めていなくても預けられる施設が多いです。また、お通夜や葬儀までの間にご対面はできますが、事前予約や人数、回数の制限があることが多いです。
- 枕経(まくらきょう):菩提寺の僧侶がお経を上げる儀式です。菩提寺が遠方にあったりするときは行わないことも増えています。
- 保冷(ほれい):主にお身体を保全するためのドライアイスによる処置を指します。ご逝去の直後はお腹を中心に多めに当てて、以降は必要に応じて当てます。ドライアイスは空気や水分に触れると気化しやすいため、故人には夏場でも布団をかけます。医師から死亡診断書を受け取ってから当てることが多いです。
連絡・相談
- 喪主(もしゅ):遺族を代表する方です。東京では施主という葬儀全体の運営や差配を担う責任者を立てる習慣はあまりありません。菩提寺との窓口を務めます。
- 菩提寺(ぼだいじ):先祖代々のお墓があり、葬儀や法要を執り行ってもらう特定のお寺です。浄土真宗ではお手次寺(おてつぎでら)と呼びます。家族が亡くなったらまず報告をして、葬儀の日程などを相談します。
- 遺影(いえい):祭壇に飾る、故人の生前のお姿を写した写真です。生前に遺影を用意される方は少ないため、プロが取ったイベントごとの写真やスナップ写真、最近ではスマホの写真を引き伸ばして利用することも増えています。
- 供花(きょうか):親族や知人から贈られるお供えのお花です。祭壇の両脇にお名前のついた札をつけて並べるのが主流ですが、本数が多いときはいただいた分で祭壇を作り、お名前は芳名版として並べることもあります。火葬式の場合は、お盆花や自宅用の枕花で受けることもできます。
形式
- 家族葬(かぞくそう):家族を中心に、お近い関係の方だけで見送る葬儀を指します。最近よく聞く言葉ですが、参列の人数や葬儀形式に決まりはなく、幅広く多方面からの参列を求めない、という意味合いです。家族以外に少数の親しい友人の方々に、参列していただくこともあります。
- 火葬式・直葬(かそうしき・ちょくそう):式場を利用して祭壇を設置したりせず、お棺を囲んでの短いお別れだけで火葬のみを執り行う最もシンプルな葬儀形式です。菩提寺がいる場合は、事前にお伝えして了承をいただく必要があります。
- 一日葬(いちにちそう):通夜を行わず、葬儀・告別式と火葬を1日だけで執り行う形式のことです。コロナ禍以降、三鷹市でも参列者を招かない家族中心の葬儀が増えており、選ぶ方も多くいます。菩提寺がいる場合は、事前にお伝えして了承をいただく必要があります。
- 二日葬(ふつかそう):通夜と葬儀・告別式を2日間にわたって執り行う、一般的な形式です。
祭壇・式場・火葬炉
- 白木祭壇(しらきさいだん):伝統的な白木で作られた祭壇です。近年三鷹市民の利用率は低くなっています。仏式以外では神道で利用することがあります。
- 花祭壇(はなさいだん):生花で作る祭壇で、近年の主流となっています。お花の種類も洋花か菊か、両方を入れるかなどお客様で選ぶことができます。また宗旨によってはお樒だけで作る花祭壇もあります。
- 式場(しきじょう):通夜・葬儀といった式典を行う場所です。祭壇の設置、柩の安置、僧侶の読経や来場者の参列などのスペースです。
- 自宅:菩提寺やご家族の都合に合わせて日程を調整しやすい形式です。ただし火葬場の予約状況や、自宅内でのお棺の移動、僧侶が着替える控室や、参列者の待合場所の確保などを考える必要があります。
- 貸し式場(かししきじょう):民間の葬儀社や寺院などが運営している、一般に貸し出される式場です。葬儀専門の式場のため不便さは少ないですが、指定葬儀社が決まっていることもあります。
三鷹市では、葬儀社の持ち式場以外は、主に寺院の貸し式場が中心です。
- 火葬場併設式場(かそうじょうへいせつしきじょう):火葬場と同じ敷地にある式場。移動の負担が少ないのが特徴です。
- 多磨葬祭場(たまそうさいじょう):府中市に所在する三鷹市から最も近い火葬場です。安置のための保冷庫、式場、火葬炉などが揃っていますが、利用エリアが広いため日程が混み合うことが多く、特に冬の時期は式場待ちだけでなく、火葬炉を待つこともあります。最寄り駅からは徒歩で10分程度かかります。
- 堀ノ内斎場(ほりのうちさいじょう):杉並区の所在ですが、三鷹市からは30分程度での到着となります。こちらは近年保冷庫の数や式場を増やしているため、式場も火葬炉もあまり待たずに利用できます。反面、敷地が広くなく、駐車場台数も少ないため、自家用車用は縦列となります。近隣の駐車場もありません。最寄り駅からは徒歩7分程度です。
- 火葬炉(かそうろ):故人を火葬するための専用設備のある施設です。三鷹市民の利用は多磨葬祭場と堀ノ内斎場の利用が多いです。どちらの火葬炉にも等級があります。これは火力の違いではなく、お別れをする火葬炉前の広さや、収骨を行う収骨室などグレードの違いで変わります。
納棺
- 棺(ひつぎ):故人をお納めし、葬儀後に火葬炉にお収めします。葬儀社のカタログなどからお選びいただけます。近年は木製の棺よりも布張りの棺を選ばれる方が多いです。浄土真宗の僧侶がお棺の蓋に六字名号を直接筆で書くために木製の棺を選ぶこともありましたが、三鷹エリアでは近年少なくなっています。
- 納棺(のうかん):故人をご遺族が選んだ棺に親族でお納めすることです。白装束へのお着替えや旅支度をすることもあります。お着替えが難しい場合はお身体の上にお掛けして、その後布団を掛けます。
- 湯灌(ゆかん):故人の体をぬるま湯で洗い清める儀式です。納棺師が専用の湯船やシャワーを持ち込んで使用します。自宅の浴室を利用しないことがほとんどです。
- 納棺師(のうかんし):故人をお棺にお納めするお手伝いをします。きれいにしてお見送りしたい、治療の跡を目立たなくしたい、また葬儀の日程が先になるなどの場合にご依頼されます。
準備
- 礼服(れいふく):冠婚葬祭で着用する正式な服装を指します。葬儀では黒のフォーマルスーツ(喪服)が一般的です。礼服をお持ちでない方や急報により準備が間に合わない方が、平服で参列されることもあります。その際はできるだけ落ち着いた色合いの服を選ばれることをおすすめします。
- 戒名(かいみょう):仏門に入った証として、故人に贈られる新しい名前。浄土真宗では法名、日蓮宗では法号と呼びます。生前戒名をつけていないときは僧侶が故人の略歴や趣味、正確などを家族に伺ってから経典から文字を選んでつけます。文字数など両親などの先祖や配偶者に合わせることが多いです。
- 副葬品(ふくそうひん):故人の思い出や趣味の品物、お好きだった食べ物、お別れのお花などお柩に納めるものを指します。火葬炉で燃やせないものを入れることはできません。
- 心付け:葬儀関係者にお渡しする寸志です。三鷹市でも納棺師や料理配膳人などに渡す習慣が残っています。火葬場の場合は堀ノ内斎場を含めた東京博善では受け取らない決まり(辞退)、多磨葬祭場ではご家族のご意思に沿ってお受けします。
- お香典(おこうでん):故人の霊前に供える金銭を指します。お悔やみや相互扶助の意味もあります。一般には「御霊前」と書きますが、浄土真宗の場合や、納骨以降にお渡しするときは「御仏前」と記入します。
- 玉串料(たまぐしりょう):神道でお香典に当たる物です。また、神職へお渡しする際も記入することがあります。
- お花料(おはなりょう):キリスト教の葬儀や、仏式で香典を辞退されたときなどにご遺族へ渡す金銭を指します。
式場安置
- 式場搬送(しきじょうはんそう):安置場所から、葬儀を執り行う式場へと故人を移動させることです。式場併設の安置場所からなら寝台車は不要ですが、公道を渡るご移動の場合は、距離に関わらず寝台車が必要です。
通夜
- 位牌(いはい):葬儀の際は白木の仮位牌のことを指します。多摩地域では野位牌という一回り小さなお位牌を併せて使用することもあります。直接戒名を記したり、戒名用紙を貼り付けて使用する仮のお位牌です。
- 霊璽(れいじ):神道の葬儀において、仏式の位牌にあたる役割を果たすものです。神道の解釈により火葬場へは持参しません。
- 焼香(しょうこう):仏前で抹香を焚き、故人への供養をすることです。参列者が起立してお焼香をする立ち焼香と、席に座ったままお焼香をする回し焼香があります。
- 返礼品(へんれいひん):お香典や参列に対する感謝としてお渡しする品物に対する総称です。
- 会葬御礼(かいそうおんれい):お香典の有無に関わらず、参列してくれた方全員、または一家族ごとにお渡しする感謝の商品を指します。一般には家族も参列者も負担が少ないように、少額の商品にお礼状を添えてお渡しします。
- 香典返し(こうでんがえし):頂いたお香典の額に応じて、忌明け(四十九日後)に贈るお礼の品を指します。都内では一般的には半返しという習慣があります。通常商品には礼状を添えますが、礼状は校正に時間がかかることもあるため、早めの準備をおすすめします。
- 即返し(そくがえし):葬儀の当日に、その場でお香典のお返しをお渡しする形式を指します。半返しが一般的ですが、参列者それぞれに合わせた商品を用意することは難しいため、当日は一律の商品をお渡しし、過分にいただいた場合は四十九日の際にあらためてお送りすることもあり、一概にお手間を減らすとはいえません。お持ち帰りの手間を考え、カタログギフトを渡すことが増えています。
- お清め(おきよめ):通夜の後に振る舞われる食事を指します。宗旨により御斎(おとき)、直会(なおらい)とも呼びます。
葬儀
- 葬儀・告別式(そうぎ・こくべつしき):葬儀は僧侶とともに故人の冥福を祈る宗教儀式、告別式は最後のお別れを告げる場、と分かれますが、近年は同じ意味で扱われることが多くなっています。
お別れ
- お別れ(おわかれ):葬儀後、故人と最後のお別れを指します。お棺の中の故人へ祭壇や用意したお花を納め、思い出の品物などを一緒にお入れすることもあります。その際は、火葬炉に入れられないものは納めないよう注意が必要です。
- 挨拶(あいさつ):参列者へのお礼の挨拶を指します。出棺後、参列者は火葬場まで同行しないため、喪主よりお別れ後に故人の思い出やこれまでの御礼をお話しいただきます。用意した原稿をお読みになっても良いですが、火葬に間に合わせるため、時間には注意が必要です。
出棺
- 出棺(しゅっかん):式場での別れを終え、お棺を火葬場へ向けて送り出すこと。都内では出棺に先立ち、喪主より参列者へお礼の言葉を述べることが多いです。火葬場へは僧侶と家族、親族のみで向かうことが多いですが、特に親しい方々が一緒に付き添って向かうこともあります。
- 霊柩車(れいきゅうしゃ):葬儀場から火葬場まで、お棺を運ぶための車両です。都内ではお位牌を持った喪主が助手席に同乗されることが多いです。
- マイクロバス:主に火葬場へ移動するために利用するバスです。23人乗りのマイクロバスが主流ですが、近年は家族葬のため、乗員8名程度のワゴンハイヤーの利用も増えています。火葬場は駐車場が狭いこともあり、自家用車ではなく、マイクロバスをおすすめする場合が多いです。
- ハイヤー:僧侶の送迎や火葬場への移動に利用する、運転手付きの乗用車です。お寺によって指定されることもあり、その際は葬儀社が手配することが多いです。
火葬
- 荼毘(だび):故人を火葬炉に納めて火葬することを指します。ご火葬まで時間に余裕があれば、火葬炉に納める前にお蓋をずらし、故人に最後のお別れを告げることもあります。
収骨
- 収骨(しゅうこつ):家族や親しい方々でご火葬した後の遺骨を骨壺に納める行為を指します。ご不幸ごととして重ねて行わない、という意味もあり、二人一組で一回ずつ行います。故人を彼岸へ送るための橋を作る、という意味から、二人が一つのお骨を木製のお箸ではさんで納める「あいばさみ」という作法で行います。浄土真宗では教義によりあいばさみを行わないことが一般的です。
- 骨壺(こつつぼ):遺骨を収めるための陶器製の壺を指します。以前は白瀬戸や大理石がほとんどでしたが、近年は様々な模様が入った複数の種類から選べます。お壺には亡くなられた年月日、故人のお名前、享年を彫ることがおおいですが、東京近郊の市営斎場や葬儀社が用意するお壺には彫らないこともあります。火葬場で購入できます。
法要
- 初七日(しょなのか):亡くなった日を含めて7日目に行う最初の法要を指します。都内では、再度遠方の親族にお集まりいただくのが難しい、等の事情により葬儀当日に併せて行うことが多いです。葬儀後に続けて行うか、火葬後お壺に納めてから行うかはご僧侶の意向を確認して決めます。
- 十日祭(とおかさい):亡くなった日から10日目に行う神道の祭祀を指します。仏式の初七日のように葬儀後に行うことが一般的です。
- 精進落とし(しょうじんおとし):火葬後や初七日法要の後に、親族や関係者が集まって行う会食を指します。
散会
- 中陰壇(ちゅういんだん):火葬後、納骨までご遺骨や白木位牌を安置するための後飾り祭壇です。葬儀社が用意することが多いですが、お仏壇の道具を流用したりするなど、ご家族が用意することもあります。置く場所に決まりはありませんが、ご遺骨や位牌を直接床に置くことは避けてください。
- 本位牌(ほんいはい):一般には納骨を行う四十九日の法要までに用意する、漆塗り位牌を指します。近年は漆塗り以外にも様々な種類があります。ご注文から仕上がりまで2~3週間程度かかるため、納骨に間に合わせるために早めのご注文をおすすめします。