手続きに迷った場合は、市区町村窓口、年金事務所、社会保険労務士、税理士などの専門家へご相談ください。

エンディングノートとは、自分の想いや情報を家族や大切な人へつなぐためのノートです。
自分のこと、お金のこと、医療・介護の要望、葬儀の形、そして家族・友人へのメッセージなど、思いついたときに少しずつ書き足していきます。遺言書のような法的効力がない分、自分の気持ちを自由に書けるのが大きな特徴です。元気なうちから気軽に書き始めるのがおすすめです。
三鷹市で配布しています(外部リンク)。
武蔵野市で配布しています(外部リンク)。

遺言書とは、大切な家族が相続トラブルに巻き込まれないよう、ご自身の意思を法的に残すための文書です。
財産の内容や分配方法、相続人の指定など明確にしておくことで、遺された家族の負担やトラブルを未然に防ぐ役割があります。種類は主に「≫自筆証書遺言」「≫公正証書遺言」「≫秘密証書遺言」の3種類があります。エンディングノートと異なり法的効力を持つため、相続手続きでは遺言書の内容が基本的に優先されます。また、法律で形式が厳格に定められており、不備があると無効になる場合があるため、作成の際は専門家への相談をおすすめします。
遺言書がない場合、相続は法律で定められた割合(≫法定相続分)で分けることになります。

家族信託とは、信頼できる家族に財産の管理・処分を託す仕組みです。
信託法を根拠とし、老後や認知症による判断能力の低下に備えて、本人の意向に沿った柔軟な財産管理を家族に任せることを目的としています。
遺言は原則として自分の次の代までしか指定できませんが、家族信託では数代先まで財産の承継先を指定できる「受益者連続型信託」が可能であるため、共有不動産の紛争防止や、確実な資産承継に効果が期待できます。
また、信託銀行等ではなく家族が管理を担うため、管理コストを抑えつつ、家庭の事情に即した運用が可能です。
実務上は、管理用の「信託口口座」の開設時に求められることが多いため、公正証書による契約書の作成が事実上不可欠とされています。不動産がある場合は、受託者への名義変更登記も必要です。
なお、契約内容の設計や税務上のリスク判断、必要書類の整備などは専門性が高いため、弁護士・司法書士・税理士等の専門家へ依頼するのが一般的です。
制度の自由度が高い反面、設計内容によっては意図しないトラブルや税務上の問題が生じる可能性もあるため、慎重な検討が必要です。

関連項目 ⇒遺言書 ⇒成年後見制度

自筆証書遺言とは、遺言者が全文・日付・氏名を自筆で記入し、押印して作成する遺言書です。
費用がかからず、いつでも一人で作成できるのがメリットですが、形式に不備があると無効になる場合があります。2020年より「自筆証書遺言書保管制度」が始まり、法務局で原本を預かってもらえるようになりました。これは紛失や改ざんのリスクを防げるだけでなく、相続開始後に必要となる「≫検認」が不要になるという大きな利点があります。なお、財産目録(財産の一覧表)については、パソコン作成や通帳のコピーを添付することも認められています。

公正証書遺言とは、公証役場で公証人が作成する公文書としての遺言書です。
内容の確実性が高く、形式の不備で無効になるリスクをほぼ避けられるのが大きな特徴です。自筆証書遺言と異なり「検認」が不要なため、相続開始後すぐに預貯金の解約といった実務に取りかかることができ、相続手続きが比較的スムーズに進みます。作成には資産額に応じた所定の費用がかかり、証人が2名必要です。最も安全で確実な遺言の方法といえます。作成された遺言書の原本は公証役場に保管されるため、紛失や改ざんの心配がほとんどありません。

秘密証書遺言とは、内容を誰にも知られることなく秘密にしたまま、遺言書の存在だけを公証役場確認してもらう方法です。
自筆でなくパソコンでの作成も可能ですが、作成時には公証人と証人2名の立ち会いが必要であり、さらに相続発生後には家庭裁判所での「検認」手続きも必要となります。こうした手続きの複雑さに加え、現在は法務局による「自筆証書遺言保管制度」などより利用しやすい制度が整っていることもあり、実際にはほとんど使われていません。なお、公証人は遺言の内容自体を確認するわけではありません。

検認とは、家庭裁判所で遺言書の内容や状態を確認し、後日の改ざんを防ぐために記録する手続きです。自筆証書遺言など、公証役場や法務局(自筆証書遺言書保管制度)を介さない遺言書が見つかった場合は、勝手に開封せず、速やかにこの手続きを行う必要があります。検認を経て「検認済証明書」が付与されることで、初めて預貯金の解約や不動産の名義変更といった具体的な相続手続きが可能になります。検認の申立ては、遺言書を保管していた人や遺言書を見つけた相続人が家庭裁判所に対して行います。裁判所からはすべての相続人に通知が送られますが、必ず出席しなければならないわけではありません。

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現するために必要な手続きを行う人のことです。
また、遺言の内容を実現するために必要な範囲で、相続財産の管理や処分を行う強い権限を持っています。主な役割は相続財産の管理や財産目録の作成、相続人への連絡、金融機関での手続き、不動産の名義変更など、遺言の内容を忠実に実行することにあります。遺言書で遺言執行者を指定しておくと、預貯金の払い戻し等の際に、他の相続人全員の署名や実印を揃える必要がない場合が多く、手続きが非常にスムーズに進みます。ご家族だけでなく弁護士や司法書士などの専門家を選任することも可能です。信頼できる遺言執行者を定めておくことで、相続人同士の不要なトラブルを防ぎ、故人の意思をより確実に実現することができます。

法定相続分とは、遺言書がない場合や遺産分割協議を行う際の目安として民法で定められている相続割合のことです。
相続順位によって割合は異なり、配偶者は常に相続人となります。その上で、割合は他の相続人との関係によって変わります。
子がいる場合は配偶者が2分の1、子が残りの2分の1を複数の子で均等に分けます。
子がおらず直系尊属(父母など)がいる場合は配偶者が3分の2、父母などが3分の1となります。
子も直系尊属もいない場合は配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1となります。
法定相続分はあくまで法律が定めた目安であり、相続人全員の合意があれば異なる割合で遺産を分けることも可能です。また、遺言書がある場合は原則としてその内容が優先されます。

デジタル遺品とは、故人が生前に所有・使用していたデジタル機器やオンラインサービス上のデータ・資産の総称です。
写真・動画・メールなどのデータ類、SNSやサブスクのアカウント類、ネットバンクや暗号資産などの金融資産類、さらにYouTubeチャンネルといった収益を生むものまで、その範囲は多岐にわたります。整理が難しい理由にパスワードがわからず家族がアクセスできないケースや、契約の存在自体を家族が知らない場合も多いです。サービスによって相続・引き継ぎのルールが異なり、放置すると料金が発生し続ける場合もあります。これらはエンディングノートにデジタル機器のパスワードやアカウント情報を記録しておくことで、残された家族の負担を大きく減らすことができます。